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十年先のラブストーリー/TUBE [BAND]

91年、「湘南」収録。

「湘南My Love」で始まり、この曲で終わるアルバム。当時、アルバムかツアーかのプロモーションでメンバーがあちこちラジオ番組等に出ていまして、そんな中でこの曲が流れていて惚れ込んだのを覚えています。当時はまだ子供ですから、自由にCDなんて買えませんでしたからね。録音したその番組を何度も何度も聴き直して、もう丸暗記しちゃったりして。

日本にも名ギタリストといわれるプレイヤーはたくさんいますけど、私は春畑さんのギターが一番好きです。確か昔何かのインタビューで、「ギターソロが一番好きな曲は?」と聞かれたご本人が答えていたのは「ガラスのメモリーズ」でしたけど、私はこの曲のギターソロが堪らなく好きでした。イントロからもう、ね。鳴いてるし、泣かせるし。アウトロまで全てが美しい。ギターも、勿論前田の声も。
この曲、歌ってみると物凄く難しい音程なのに気付きます。この人の声でないと全くしっくりこないっていうのもありますけど、Aメロの入りからして難しいし、無駄にアレンジ加えると安っぽいし。これだけ声量のある人が、序盤は敢えてビブラートも抑えながら歌いあげるのが最高。この曲に限っては、ライブテイクやその後のリミックスバージョンよりも、原曲が何よりも好きです。

それにやっぱりこの人の声は、『別れた女に未練たっぷりな心情』がとても合う。この歌を聴くと「BECAUSE I LOVE YOU」を思い出しちゃうのはシートとサングラスのせいですが、未練だらけの歌詞っていう共通点もあるんですよね。Baby,come back。「君となら」のようなラブソングもいいけれど、この切なくて情けない感じが堪らない。「好きなんだ 忘れられない人」からの一節はその真骨頂で、ここら辺からの彼の感情の入れ方も絶品。「勝手なのは百も承知の上さ」の部分でもう、感涙です。未練タラタラで自分勝手にヨリを戻したいって我儘言っているように見える割には、女は愛される方が幸せだとか、男は最初の男になりたがるけど女は最後の女になりたがるとか、そんな女から見た恋愛のあれこれが詰め込まれているような気がして。「ラブストーリー 最後は君と」ってことは、最後の女になって欲しいってことなんでしょう? 極論ですけど理想ですよね。こんなに愛されるなんてね。


でも。
この曲は、病気で早世された前田さんの友人とその彼女を歌ったものだそうで。そう考えると、「ラブストーリー いつかは君と」が一回だけ出てくることに意味があったり、「待ち続けるから」という言葉を非常に重く感じたりします。「湘南 My Love」のc/wの作詞をされ、デビュー前よりパーカッションとしてサポートされてきた土田宗志さんを歌ったこの曲は、アルバム「湘南」の歌詞カードでメンバーのクレジットよりも後に掲載されています。成り立ちを知らない当時からそれは気になっていたのですが、今思うとそんな歌詞の置かれ方も、特別だったんですね。
タグ:TUBE
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あーちゃん

はじめまして

実は、恥ずかしながら最近この曲を知りました。

いや、すごいです。もう本当に。尊敬します。ここまで、この曲を分析できるなんて。

毎日毎日この曲を何度も何度も聞いていますが、それと同じくらいこのブログを拝見しています。
by あーちゃん (2016-09-12 06:39) 

伊吹

コメントありがとうございます。
本当に大好きな大好きな曲なので、そう言っていただけてとても光栄です!

そして稚拙な文章をお褒めいただき有難うございます。
気まぐれでブログを続けていますが、また読んでいただき、気に入った曲に出会っていただけたら嬉しいなと思います。
by 伊吹 (2016-10-25 02:44) 

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